STEP1 水漬 | STEP2 石灰漬 | STEP3 脱灰、浸酸 | STEP4 クロム鞣し |
STEP5 シェービング | STEP6 再鞣し、染色、加脂 | STEP7 張り乾燥 | STEP8 仕上げ塗装 |
当社は爬虫類皮革を専門になめし、染色を行う工場を持ちそこで加工された革を中心に製品にし、販売を行う会社です。 自社工場で加工された皮革はもとより、裁断や縫製に関しましても日本国内で爬虫類を専門にしている職人が1つ1つ手作りで作製していきます。
太鼓から皮を出している技術者の様子です。 約30年爬虫類皮革の鞣しに携わり、最高の 状態を計り水揚げをします。
石灰に含まれるアルカリにより皮を膨張させ皮のコラーゲン繊維をほぐすと共に、鱗、脂肪を分解除去します。
この写真は太鼓の中で石灰漬をしている途中経過です。
皮は水分が染み込みプルプルになっています。
液体に浮いている多数の黒い物がこの作業によってはがれた鱗(うろこ)です。
この状態で太鼓を回していきます。
ワニ皮で3~5日間、ヘビ革やトカゲ皮で2~3日間回します。
脱灰を行い石灰漬で皮中に残存した石灰を取り除きます。
消石灰が皮に残っているとその後の鞣し工程がうまくいかないため、薬品で余分な消石灰を取り除きます。
皮を酸性の溶液に浸し、クロム鞣剤が浸透しやすい状態に調整します。
タンパク分解酵素により、皮の主成分であるコラーゲン以外のタンパクを消化して除去します。
このときの皮は透きとおり綺麗です。
皮の状態はプルプルからフニャフニャになっています。
クロム鞣剤を皮に浸透させ、コラーゲン繊維と結合させ耐久性を与える。
この鞣しにより、皮は腐りにくくなり、また通常の温度では収縮や硬化が起こらない革になります。
クロム鞣しに関しても太鼓で行います。
クロムは金属です。この作業は2~3日太鼓をまわし行われます。
ここまでの作業は温度管理がかなり重要です。
クロムを浸透させる前までは徹底された温度管理のもと作業が進められていきます。
この鞣しの作業が終了すると「皮」から「革」になっていきます。
クロム鞣しが終了した革は少し青みかかっています。
この機会を使い革の裏を削って、革の厚さをちょうせいします。
求められる風合いに応じて、クロム、植物タンニンなどで再鞣しをして
希望の色に染色をします。
同時に革を柔軟にするために加脂剤を加えます。
染色時には温度管理はもちろん、PH(酸性、アルカリ性)の調整も行わなければ
希望する色に染めることはできません。
求められる色に応じて温度管理、PHの度合いを調整する職人技です。
ワニのクラスト(鞣した革) | 再鞣し中のワニ革 |
そのワニ革が黒に染まりました。 | 綺麗に染まっています |
革の形を整え、革が収縮しないように固定し、平らな状態に乾燥させます。
染料や顔料で革を着色するとともに、耐水性やつやを出すために仕上げ剤を塗装します。
艶消しの仕上げはグレージングの工程をとらずに、耐水性、色落ちに注意した仕上げにします。
グレージング仕上げは、透明度のある光沢を出すために、革にタンパク質バインダーを塗布し、メノウの玉で磨きます。